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スタッフがすぐ辞めるクリニックの特徴7つ|院長が改善すべきこと・外部に任せるべきこと

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「少しお話ししたいことがあるのですが……」

診療後、スタッフからそう切り出されたとき、続く言葉を察してしまう院長は少なくないでしょう。

頭をよぎるのは、シフトや採用の段取りだけではありません。「自分の言い方が悪かったのではないか」「残った人数で診療を続けられるのか」と、不安が押し寄せてくるのではないでしょうか。

しかも、スタッフの退職は院内のスタッフにも同業の院長にも相談しづらいものです。診療後の診察室で一人、原因を検索したことがある方もいるかもしれません。

この記事では、スタッフがすぐ辞めるクリニックの特徴7つを挙げ、自院と照らし合わせて確認できる形で整理します

そのうえで、退職を告げられた翌日から取るべき対応、給与と離職の関係、離職によって生じるコスト、院長が改善すべきことと外部に任せるべきことを順に解説します。

スタッフの離職は、院長一人の問題ではありません。採用や教育、情報共有といった院内の仕組みが影響しているなら、順番に手を入れることで変えられます

まずは、自院に当てはまるものがないか確認していきましょう。

スタッフがすぐ辞めるクリニックに共通する7つの特徴

スタッフの離職が続いているクリニックには、いくつか共通した傾向が見られます。

そしてその原因は、スタッフ個人の相性や性格だけでなく、業務の割り振りや情報の伝え方といった院内の運用にあることも少なくありません。

特によく見られるのが、次の7つです。

  1. 業務が特定の1人に集中している
  2. 求人票の内容と、実際に任せている業務が違う
  3. 新人教育が現場任せになっている
  4. 評価と昇給の基準を、院長がスタッフに説明できない
  5. 意見を言っても「無理」で終わる空気がある
  6. 有給が取りにくい、パートの扱いが曖昧
  7. 院内の空気がベテラン1人に依存している

いずれも、日々の診療を優先するうちに後回しにされやすい領域です。

そのため、院内では問題として扱われないまま、少しずつ不満が蓄積していきます。

ここからは、一つずつ具体的に見ていきます。

① 業務が特定の1人に集中している

レセプト、在庫管理、シフト作成、電話対応といった業務が、経験の長いスタッフ1人に寄っている状態です。

その人にとっては「これだけやっているのに評価が同じ」という不公平感が積み上がり、周囲にとっては「忙しそうで質問できない」という孤立が生まれます。

結果として、負荷の高い人も、放置された新人も、どちらも辞める理由を抱えることになります。

② 求人票の内容と、実際に任せている業務が違う

看護師として応募したのに受付や事務ばかりを任される、といったミスマッチは早期離職の代表的な引き金です。

2024年4月に施行された改正職業安定法施行規則により、スタッフを募集する際には、「従事すべき業務の変更の範囲」や「就業場所の変更の範囲」などを明示する必要があります。

これは、入職後に業務や就業場所を変更する可能性がある場合、その範囲を募集時に伝えるためのものです。

法令に沿って明示することは前提ですが、ここで改めて確認したいのは、院内で誰がどの業務を担当するのかが整理されているかどうかです。

役割が曖昧なまま採用すれば、入職後に「聞いていた仕事と違う」と感じさせる原因になります。

③ 新人教育が現場任せになっている

マニュアルがなく、教える内容も教える人も日によって変わる状態では、新人は「自分のやり方が正しいのか」を確認する手段を持てません

さらに、教える側も通常業務を抱えたままなので、教育は後回しにされ、質問しづらい空気だけが残ります。

新人がうまく適応できない原因を、本人の能力だけで片づけることはできません。教わる内容のばらつきや、正しいやり方を確認できない不安が、早期離職につながることもあります。

④ 評価と昇給の基準を、院長がスタッフに説明できない

「何をどこまでできるようになれば、いくら給与が上がるのか」を言葉にできない場合、スタッフから見れば昇給の判断は院長の裁量に委ねられているように映ります

そして判断の根拠が示されないと、そこには特定の誰かが優遇されているという解釈が生まれやすくなります。

実際には公平に運用していたとしても、説明できない状態が続けば、不信は積み重なっていくでしょう。

⑤ 意見を言っても「無理」で終わる空気がある

業務改善の提案をしても検討されずに終わる状態が続くと、スタッフは提案すること自体をやめていきます

提案が出てこない院内は一見すると落ち着いて見えますが、不満が院長に届かなくなっただけという可能性もあります。

そのため、スタッフから不満や要望が出なくなったからといって、状況が改善したとは限りません。むしろ、伝えることを諦め、退職を決めている可能性もあります。

⑥ 有給が取りにくい、パートの扱いが曖昧

有給を申請しにくい雰囲気があったり、シフトの決め方や勤務時間を変更する際のルールが曖昧だったりすると、スタッフは働き方の見通しを立てられません

特にパートスタッフは、勤務時間の変化が収入や社会保険の加入要件、家庭の予定に影響する場合があります。

来月の働き方が読めない状態が続けば、勤務条件の明確な職場を探し始める可能性があるでしょう。

⑦ 院内の空気がベテラン1人に依存している

在籍年数の長いスタッフの判断が院内の暗黙のルールになっていると、新人は院長から説明された内容よりも、「その人にどう見られるか」を気にするようになる可能性があります。

ベテラン本人に悪意がなくても、新人教育や日常の判断を一人に任せていれば、質問や意見を言いにくい空気が生まれるでしょう。

院内の人間関係や教育を特定のスタッフに委ねていないか、確認する必要があります。

【チェックリスト】自院の離職リスクを確認する10項目

院長が把握している状況と、実際の職場環境が一致しているとは限りません。

シフト表や求人票、面談記録などを確認しながら、自院の離職リスクをチェックしてみましょう。

【自院の離職リスクを確認する10項目】

No.チェック項目該当
1特定の1人しか手順を知らない業務がある
2業務マニュアルがない、または現在の運用と一致していない
3求人票の内容と、入職後に任せている業務が一致していない
4評価・昇給の基準が文書化されておらず、スタッフにも説明できない
5定期面談を実施していない、または面談内容を記録していない
6退職理由を記録し、過去の退職者と比較していない
7有給取得状況に偏りがないか、スタッフごとに確認していない
8半年以上、スタッフから業務上の意見を聞く機会を設けていない
9院長の判断を待たなければ止まる事務・労務業務が複数ある
10複数の退職者から、同じ不満や退職理由が挙がっている

このチェックリストは、自院の課題を整理するための目安です。

該当数だけでなく、過去の退職者に共通する原因がないかも確認しましょう。

  • 2項目以下: 該当した項目と、繰り返し挙がっている退職理由を個別に見直す
  • 3〜5項目: 教育・評価・情報共有など、影響の大きい仕組みから改善する
  • 6項目以上: 院内運用を広く見直し、必要に応じて外部人材の活用も検討する

なお、事業者にはスタッフごとの年次有給休暇管理簿を作成することが求められています。離職対策に加えて、年休の取得状況を確認できる体制も整えましょう。

自院の離職率は高い?医療・福祉業界の平均と比較

自院の離職率が高いかを判断する際は、医療・福祉業界の平均である13.8%が一つの目安になります。

ただし、常勤とパートでは離職率の水準が異なるため、雇用形態を分けて比較することが重要です。

厚生労働省の「令和6年雇用動向調査」によると、医療・福祉の離職率は全体で13.8%でした。全産業平均の14.2%を0.4ポイント下回っており、医療・福祉業界が他業種と比べて特に高いとはいえません。

区分全体一般労働者パートタイム労働者
全産業14.2%11.5%21.4%
医療・福祉13.8%13.1%15.7%

一方、医療・福祉の内訳を見ると、一般労働者は13.1%、パートタイム労働者は15.7%と差があります。また、「医療・福祉」にはクリニック以外の医療機関や福祉施設も含まれています。

そのため、13.8%だけで離職率の高低を判断せず、自院の常勤・パートを分けたうえで、各平均と比較しましょう。

参考:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」

自院の離職率を計算する方法

離職率は、次の式で計算できます。

たとえば、年初に8人が在籍しており、その年に2人が退職した場合、離職率は25%です。

2人÷8人×100=25%

医療・福祉の平均を11.2ポイント上回りますが、これだけで離職が多いとは断定できません。

8人のクリニックでは、1人が辞めるだけで離職率が12.5ポイント動くためです。

自院の状況を判断するときは、常勤とパートを分けたうえで、直近2〜3年の推移も確認しましょう。

さらに、特定の職種で短期離職が続いていないか、同じ退職理由が繰り返されていないかを見ることで、改善すべき問題を把握しやすくなります。

退職を告げられた当日から1か月でやること

スタッフから退職を告げられたら、原因を詳しく分析する前に、退職日と引き継ぎの予定を決めましょう

退職の申し出を受けた直後は、「なぜもっと早く気づけなかったのか」「残った人数で診療を続けられるのか」といった不安が重なり、対応の順番を見失いやすいためです。

動揺したまま理由を問い詰めたり、強く引き止めたりすると、本人との関係が悪化し、引き継ぎにも影響しかねません。

具体的には、次の順番で進めます。

時期主な対応確認すること
当日本人の意思を確認する退職の意思、希望する退職日、退職理由
3日以内担当業務を洗い出す業務内容、期限、保存場所、関係者
1週間
以内
最終出勤日を調整する有給残日数、所定休日、引き継ぎに使える期間
2週間
以内
引き継ぎと業務の再配分を進める後任者、主担当・副担当、手順書、負担の偏り
1か月
以内
求人票と受け入れ体制を見直す業務内容、採用条件、教育担当者、独り立ちまでの流れ

退職日まで1か月ない場合は、工程を前倒しし、診療への影響が大きい業務から優先して進めてください。

まずは当日の面談で確認すべきことから見ていきましょう。

当日から3日以内:意思の確認と、引き継ぎ範囲の確定

退職の申し出を受けたら、まず意思が固まっているのか、働き方について相談したい段階なのかを確認します。

退職が決まっている場合は、希望する退職日と有給取得の意向を聞き、最終出勤日を把握しましょう。

あわせて、本人が担当している業務を洗い出します。

日常業務だけでなく、発注や返戻対応、業者との連絡なども、期限やデータの保存場所とともに書き出してください。

この段階ですべての後任者を決める必要はありません。まずは全体像を把握し、診療への影響が大きい業務から引き継ぎを進めましょう。

1週間以内:有給休暇を踏まえて最終出勤日を決める

退職日が決まったら、残っている有給休暇の日数を確認し、本人と最終出勤日を調整します。

退職日と最終出勤日は同じとは限りません。退職前に有給休暇を取得する場合、実際に引き継ぎができる期間は想定より短くなります。

たとえば、退職日が3月31日でも、退職前の5勤務日に有給休暇を取得すれば、最後に出勤する日はそれより前になります。有給休暇と所定休日をカレンダーに反映し、引き継ぎに使える日数を確認しましょう。

退職予定者にも在籍中は有給休暇を取得する権利があります。引き継ぎが終わらないことを理由に一方的に拒否せず、確保できる期間に合わせて引き継ぐ業務の優先順位を決めることが重要です。

2週間以内:業務を再配分して手順を残す

引き継ぐ業務は、特定のスタッフ1人にまとめて任せず、複数人で対応できる形に再配分しましょう。

退職者の業務をそのまま別の1人へ移すだけでは、属人化が解消されず、新たな負担の偏りや離職につながる可能性があるためです。

業務ごとに主担当と副担当を決め、実施時期や手順、データの保存場所、注意点を手順書に残しましょう。あわせて、廃止できる業務や外部に任せられる業務がないかも確認します。

退職予定者がいるうちに後任者が一度実務を行い、不明点を確認できる状態まで進めることが重要です。

1か月以内:求人票と受け入れ体制を見直す

求人を再開する前に、実際の働き方と求人票の内容が一致しているかを確認しましょう。

欠員を急いで補おうとして以前と同じ求人票を掲載すると、入職後に「聞いていた仕事と違う」というミスマッチが繰り返される可能性があるためです。

担当業務、勤務時間、残業の有無、給与、昇給基準に加え、業務内容や就業場所の変更範囲も具体的に記載しましょう。あわせて、教育担当者や独り立ちまでの流れも決めておきます。

採用条件を良く見せることよりも、入職後の働き方を正確に伝え、安心して業務を覚えられる環境を整えることが定着につながります。

やってはいけない対応

退職の申し出を受けても、感情的に引き止めたり、退職を認めないと伝えたりするのは避けましょう

人手不足や引き継ぎの遅れを理由に退職を妨げると、本人との関係が悪化するだけでなく、労務トラブルに発展する可能性があります。

特に、次のような対応には注意が必要です。

  • 退職理由を繰り返し問い詰める
  • 退職届の受け取りを拒否する
  • 有給休暇の取得を一方的に拒否する
  • 退職を理由に業務や待遇を不利に変更する
  • 本人の了承なく退職理由を院内で共有する

期間の定めがない雇用契約では、クリニックが同意しなければ退職できないわけではありません。また、退職予定者にも在籍中は有給休暇を取得する権利があります。

退職日や有給休暇をめぐって本人と意見が食い違う場合は、自己判断で対応を進めず、労務手続きについては社会保険労務士、法的なトラブルについては弁護士へ相談しましょう。

退職対応とスタッフの定着を一人で進めるのが難しい院長へ

退職者の引き継ぎに加え、残ったスタッフとの面談、業務の再配分、求人票の見直しまで院長一人で進めるのは簡単ではありません。

レンタル事務長さんでは、第三者の立場からスタッフの本音を聞き取り、院内で起きている課題を整理します。そのうえで、業務の棚卸しや院内ルールの整備など、優先度の高い対策から実行を支援します。

同じ理由による離職を繰り返す前に、まずは現在の状況をお聞かせください。

【スタッフの離職・定着について相談する】

給与を上げても離職が止まらないのはなぜ?

給与を上げても離職が止まらないのは、退職の原因が給与だけにあるとは限らないためです。

人間関係や院長からのプレッシャー、業務内容のミスマッチなどが解消されなければ、待遇を改善しても働きにくさは残ります。

給与を引き上げる前に離職理由を確認し、待遇と院内の仕組みのどちらを見直すべきか判断することが重要です。

給与を上げる前に確認したい離職理由と人件費率

実際に、院長からは次のような相談が寄せられます。

「競合の給与が高く、スタッフの離職を防ぐために人件費を上げ続けている」

「給与相場が年々上がり、従来の月給や時給では採用できなくなった」

クリニックでは、既存スタッフの定着と新しい人材の採用の両方で、給与を上げざるを得ない状況に陥ることがあります。

給与が離職や採用難の原因であれば、待遇の見直しは必要です。

しかし、人間関係や業務負担などの問題が残ったままでは、給与を上げてもスタッフの定着にはつながりません

給与は一度引き上げると固定費となり、その後に引き下げるのは簡単ではないため、給与を上げる前に次の2点を確認したうえで慎重に判断しましょう。

まずはスタッフとの面談を通じて、給与に不満があるのか、それとも人間関係や業務負担に問題があるのかを確認します。

そのうえで給与を上げる場合は、昇給後の人件費率を試算し、経営を圧迫しない範囲に収まるかを判断しましょう。

人件費率の計算方法や適正な水準、数値が高い場合の見直し方は、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

🔗 関連記事:クリニックの人件費率の目安は?計算方法と適正化のポイントを解説

給与以外で取り組む3つの離職対策

給与以外の離職対策は、いきなり制度を導入するのではなく、次の順番で進めましょう。

1. 面談で離職の原因を把握する

定期的な面談を行い、スタッフの悩みや課題を聞き取ります。現状と院長が目指す状態との差を整理することで、優先すべき対策が見えやすくなります。

2. 課題に合わせて院内の仕組みを整える

面談で分かった課題に応じて、業務分担や院内ルール、マニュアルを見直します。情報共有に問題があれば、LINE WORKSなどを活用して連絡方法を整理するのも一つの方法です。

3. 実施後の変化を確認して改善する

仕組みを整えた後も面談を続け、現場に定着しているかを確認します。スタッフが20人未満のクリニックでは、複雑な評価制度を急いで導入するより、優先度の高い課題から改善を重ねるほうが現実的です。

このように、課題の把握・仕組みの整備・効果の確認を繰り返すことで、給与だけに頼らない離職対策につながります。

スタッフが1人辞めるといくらかかる?

スタッフ1人の離職にかかる費用は、採用費・教育費・欠員対応費・院長や管理者の時間コストの合計です。

金額は採用方法や欠員期間などによって異なるため、一律には示せません。

離職すると、求人広告費や人材紹介手数料だけでなく、欠員期間の残業代、新人教育にかかる人件費、院長や管理者が面接や教育に費やす時間も発生するためです。

たとえば、人材紹介会社を利用する場合と自院の採用サイトで募集する場合では、採用費が大きく異なります。さらに、欠員が長引くほど残業代や既存スタッフの負担も増えていきます。

そのため、自院の数字で離職コストを算出し、給与を上げた場合の年間負担と比較することが重要です。これにより、スタッフの定着にどの程度の費用をかけられるか判断しやすくなります。

離職コストの計算方法

スタッフ1人あたりの離職コストは、次の式で概算できます。

離職コスト=採用費+教育費+欠員対応費+院長・管理者の時間コスト

それぞれに含まれる主な費用は、以下のとおりです。

  • 採用費:求人広告費や人材紹介手数料
  • 教育費:研修費や教育担当者にかかる追加の人件費
  • 欠員対応費:残業代や応援人員にかかる費用
  • 時間コスト:院長や管理者が面接・教育に使った時間を金額換算したもの

たとえば、給与を月1万円上げる場合、年間の増加額は1人あたり12万円です。

これと離職コストを同じ物差しで比較することで、給与の見直しと離職防止のどちらに費用をかけるべきか検討しやすくなるでしょう。

数字に表れにくい隠れコストにも注意する

離職による損失は、計算式に含まれる費用だけではありません。

欠員によって残ったスタッフの負担が増えたり、教育を担当するスタッフの通常業務が滞ったりすることもあります。採用と教育を繰り返せば、院内全体が疲弊し、さらに別のスタッフの離職につながる可能性もあります。

そのため、離職コストを考えるときは、金額にしやすい費用だけでなく、現場の負担や二次離職のリスクまで含めて判断しましょう。

離職対策で院長が担うこと・外部に任せること

離職の原因には、院長自身が改善できるものと、立場や時間の制約から外部に任せたほうがよいものがあります。

この切り分けをせず、すべてを院長が抱え込んでも、十分な原因分析ができないまま負担だけが増えかねません。

まずは離職の原因を明らかにし、院内と外部の役割を整理しましょう。

離職原因を言語化し、誰が面談するか決める

離職対策では、まずスタッフへのヒアリングを行い、不満や働きにくさを言語化しましょう。

私たちが院内に入る際も、聞き取った内容と院長が思い描く理想の状態を照らし合わせ、優先すべき課題を整理することから始めます。

ただし、退職理由に「院長には直接言いにくいこと」が含まれている場合、院長自身が面談しても本音を引き出せないことがあります。

診療で時間を確保できない場合も含め、必要に応じて第三者へ面談を任せることも検討しましょう。

面談前に共有しておきたいこと

意見は幅広く聞き取る一方、実際に対応するのは、院内運営の改善につながり、経営上も実行可能な内容に限られることを伝えておきます。

対応できる範囲を事前に示すことで、「相談したのに何も変わらなかった」という不信感を防ぎやすくなります。

制度を作る人と運用する人を分けて考える

就業規則や評価制度を整えるだけで、スタッフが定着するわけではありません。制度を作ることと、現場で継続的に運用することは別の仕事です。

ルールが守られず、評価も実施されなければ、制度がない状態よりも不信感を生むことがあります。

制度を整備する際は、誰が日々の運用と改善を担うのかまで決めましょう

外部へ相談する場合も、依頼先によって対応できる範囲が異なります。

相談先主に解決できること解決しにくいこと
社会保険労務士就業規則などの規程整備、各種手続き、法令対応日々の運用や院内の調整
人材紹介・求人媒体欠員の補充離職原因そのものの改善
医療経営コンサルタント戦略や改善計画の立案実行と定着までの継続的な運用
事務長代行業務の棚卸し、施策の実行、院内の調整士業の独占業務(専門家との連携が前提)

どの依頼先が優れているということではなく、自院の課題に応じて使い分けることが重要です。

制度の整備が必要なら社会保険労務士、欠員の補充を急ぐなら人材紹介会社が選択肢になります。

一方、離職原因を特定できない場合や、制度はあっても運用できていない場合は、面談や院内調整、施策の実行まで担える人に相談する必要があります

スタッフの離職に関するよくある質問

離職に関して院長からいただくことの多い質問に回答します。

Q. 離職率は何%を超えたら危険信号ですか?

一律に「何%を超えたら危険」と判断できる基準はありません

厚生労働省の「令和6年雇用動向調査」によると、医療・福祉の離職率は13.8%です。ただし、一般労働者は13.1%、パートタイム労働者は15.7%と差があるため、雇用形態を分けて比較する必要があります。

平均との比較だけでなく、直近2〜3年の推移や退職理由も確認しましょう。同じ理由による退職や、特定の職種の短期離職が続いている場合は、平均以下でも対応が必要です。

Q. 退職を申し出たスタッフは引き止めるべきですか?

必ずしも引き止める必要はありません。

給与や勤務条件への不満であれば、話し合いによって解決できる可能性があります。一方、退職の意思が固まっているスタッフを強く引き止めると、関係が悪化するおそれがあります。

引き止めること以上に重要なのは、退職理由を正確に聞き取ることです。今回の退職理由を整理し、次の離職を防ぐための改善につなげましょう。

Q. スタッフとの面談はどのくらいの頻度で行うべきですか?

月に1回、少なくとも3か月に1回は、個別に話す機会を設けることをおすすめします。

面談では評価を伝えるだけでなく、業務負担や人間関係、モチベーションの変化などを確認します。問題が大きくなってから話すのではなく、短時間でも定期的に状況を確認することが、離職の兆候を早めに把握することにつながります。

Q. 試用期間中なら簡単に辞めてもらえますか?

試用期間中であっても、簡単に解雇できるわけではありません。

解雇には、客観的に合理的な理由と、社会通念上の相当性が求められます試用期間中の解雇についても、採用時には把握できなかった事情などを踏まえて、個別に判断されます。

実際に解雇を検討する場合は、自己判断で進めず、社会保険労務士や弁護士に相談してください。

Q. 就業規則は誰に作ってもらえばよいですか。

就業規則の作成を依頼する場合は、社会保険労務士へ相談するのが一般的です。

ただし、就業規則は作成しただけでは機能しません。院内への周知や日々の運用、必要に応じた見直しまで含めて、誰が担当するのかを決めておく必要があります。

Q. 一斉退職の予兆はどこに表れますか?

一つの兆候だけで判断することはできませんが、次のような変化が重なっている場合は注意が必要です。

  • 院内から改善提案や率直な意見が出なくなる
  • 特定のスタッフに業務や情報が集中し、休みを取りにくくなる
  • 面談が形式化し、スタッフから本音や相談が出なくなる

表面的に不満が出ていない場合でも、問題が解消されたとは限りません。

会話量や業務負担の変化を確認し、気になる兆候があれば早めに個別面談を行いましょう。

院長、一人で離職問題を抱え込んでいませんか?

スタッフの離職は、院長が一人で抱え込みやすい問題です。

院内のスタッフには相談しにくく、同業の院長には知られたくない。家族にも心配をかけたくない。

その結果、診療を終えたあと、一人で解決策を探している院長も少なくありません。

しかし、離職の原因が院長との関係や院内の人間関係にある場合、院内だけで本音を聞き出し、改善まで進めることには限界があります

「レンタル事務長さん」は、クリニックに特化した事務長代行サービスです。

第三者の立場からスタッフとの面談を行い、院内ルールの整備や業務の棚卸し、改善策の実行まで支援します。

レンタル事務長さんの3つの強み

1.第三者の立場でスタッフの声を聞き取る

院長には直接伝えにくい不満や悩みも、外部の立場だからこそ話してもらえることがあります。面談で聞き取った内容を整理し、院内で改善すべき課題を明らかにします。

2.クリニックの実務を理解したうえで改善を進める

人事・採用や労務、経理、レセプトなど、クリニック運営の実務を踏まえて支援します。改善策を提案するだけでなく、院内で実際に運用できる状態を目指します。

3.月12.5時間から必要な範囲で依頼できる

月12.5時間から利用できるため、常勤の事務長を採用するほどではないクリニックでも、必要な業務から依頼できます。

このような状況でお悩みではありませんか?

  • スタッフが辞めた本当の理由を把握できていない
  • 面談を行いたくても診療が忙しく、時間を確保できない
  • ルールや制度を作ったものの、院内で運用できていない
  • 院内を調整し、改善を実行する担当者がいない

離職が続いてから採用を繰り返す前に、まずは院内で何が起きているのかを整理することが重要です。

無料相談では、自院の状況を伺ったうえで、院内で改善できることと、外部へ任せたほうがよいことを整理します。

▶︎【無料相談】「レンタル事務長さん」の詳細・お問い合わせはこちら

参考文献

について詳しく知りたい方はこちら

「レンタル事務長さん」で
診療外業務を1/5に! /

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